Posts Tagged ‘freepaper’

Apr
06

少し年上のお兄さんのような優しいまなざしの本『「R25」のつくりかた』

「R25」のつくりかた (日経プレミアシリーズ) 「R25」のつくりかた (日経プレミアシリーズ)
藤井 大輔

日本経済新聞出版社 2009-02
売り上げランキング : 1394
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る by G-Tools

久々に書評を書く。

『「R25」のつくりかた』という本。「R25」というのは、首都圏で配布されているフリーペーパーのことで、現在はウェブ上でもその記事を閲覧することが出来、ミクシィの注目のニュースにも挙がってくるのでもともとウェブのものと思ってる人もいるかもしれないが、もともとはフリーペーパーとして史上類を見ない成功を収めているものである。

創刊時から「R25」に携わっている現編集長、藤井大輔氏の「R25」の創刊時の企画の立て方やマーケティング調査から発刊、そしてクロスメディアでの展開に至る成功経験が、「R25」の記事ばりに平易な言葉で分かりやすく、しかも読みやすい分量で書かれている、いわゆるビジネス本である。「R25」と同じく活字を苦手とする我々にとって非常に心地のいい本になっているので、ぜひ読んでみて欲しい。

さて、この本の中で重要になって来るのが、M2世代(35〜49歳)観的、M1世代(20〜34歳)である。M1とかM2とかは広告やテレビ業界的に分けられている世代区分のことで、簡単に言ってしまえば、30後半から50ぐらいまで(だいたい上司ぐらい?)から見た20〜30前半ということで、要は「最近の若者は…」といったよくある視点である。

この本は、マーケティングの結果(このリサーチテクニックが肝なのだが今回は割愛)、世間的に言われている「最近の若者」論に意義を唱えた上で、次の定義づけをしている。

「M1世代のビジネスマンは、情報に敏感で、多忙な中、時間を有効に活用したがっている。その内面は、自分の価値に一番関心がある、自意識過剰でカッコつけ。そこそこイケてると思ってるが、確信はない。顔には出さないが不安感もある。だから実は助言が欲しい」

また、次のようなことも書かれている。

騙されたくない、損をしたくない、傷つきたくないという気持ちが強い世代だ、と言われますが、背景には、あまりに情報量が多すぎる、ということがあると思うのです。いろんな情報を吟味して、常に「誰から見ても正しい」と認められないと傷つく可能性が高い。

なるほどなぁ、と自分の世代のことながらうなづいてしまった。これらの説明になっている理由として、著者はインターネットの普及を挙げている。すなわち、現実をよく知りすぎていることで、臆病になっているというわけである。

私たちの世代は、多感な時期に失われた10年を経験した。この独特の感覚は、上の世代にも理解されないし、下の世代にも理解されない。なぜなら、彼らのその時期は、上り坂か下り坂か平板な道であったけども上り坂から下り坂へ転換する「峠」ではないからである。そして、私はこの感覚が、うっすらと、しかし確かにあるものだと確信してきた。それが、自分のせいではないか、と悩むこともあった。だが、社会環境の影響というのは確かにあったのだと今は思う。それは同世代の友人たちとも共有できる考え方である。

ただ社会のせいにすれば良いものではない。我々世代は、「夢がない」と言われるが、それは「現実を見すぎている」と言われれば、確かにそうだと思える。自分たちを客観視できれば、それを方向修正していけば良いだけのこと、そのためにこの本はすごく役に立つ。「R25」が我々世代のことを本当に理解して刊行された同世代の友達のようなペーパーならば、この本は、「君たちのことはちゃんと分かっているよ」と、さとしてくれている少し年上のお兄さんのような優しいまなざしの本である。同世代の人たちに、ぜひ読んでもらいたい一本。


R25.jp [アールニジュウゴ]

>
  • PickUp

    Mr.Children DOMETOURレポートはこちら
  • Icon

  • Profile


    pima / bug
    80年代生まれのA型。関西人。身長は低いよ。
  • Twitter

  • BLOGPARTS